そこに太陽があるだけで、暖かくなるように、楽しくなるように、優しくなるように。 毎日が日曜日、毎日が夏休み。そんな人に、私はなりたい。
『よかたい先生 水俣から世界を見続けた医師 原田正純』

『よかたい先生 水俣から世界を見続けた医師 原田正純』

カーリルで開く
昨年の今ごろの、水俣病被害者救済法駆け込み申請のニュースを覚えていますか?水俣病救済特別措置法は、水俣病問題の最終解決を目指して制定された法律で、国の基準では水俣病と認められない人を幅広く救うために一時金や被害者手帳が支給されるというもの。環境省が想定していた2万~3万人を大きく上回り、6万5千人の申請がありました。
水俣病関連本を読むと、国が問題にするよりもずっと前から苦しむ人がいて、申請締切後も苦しんでいる潜在的被害者が沢山いるということが分かり、苦しくなってきます。一部の利権のために、差別しやすい人たち(例えば有名な文化や産業がなく、税収の低い土地)を自分たちのシステムで囲い込み、その場所で公害などの問題が発生した時に『差別』という形で更に飼いならす。
この本では、目をそむけたくなるような写真や描写がありません。重い内容ですが、原田先生の愛情により落ち着いて受け止めることができます。公害が抱える諸問題に対する原田先生のメッセージ、大人にこそ読んで欲しいです。

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