『リヴァイアサン』
ポール オースター (著), 柴田 元幸 (翻訳)
その昔原田くんのエントリーでこの本の存在を知って、これは絶対必ず読もうと(でも『ムーン・パレス』はまだ手元にないんだな、これが)。すごいね。うん。すごい。印象に残った文章を引用。
べつに刑務所で何かをなしとげられると思ったからではない。そうしなければ今後、自分自身とまともに向き合って生きていけないと確信したからだ。
そう、自分に与えられた複数の未来の中で、これを選択した瞬間に世界が終わることが分かってしまう瞬間がある。
「正しい正しくないの問題じゃないさ。世界はそういうふうになっているってことだよ。男はみんなペニスの囚人だ。それについてはどうしようもない。時には抵抗を試みたりもするが、いつだって負けいくさだ」
ファニーの顔をじっと見ていて、突然、あたかもはじめて気付いたかのように、我々はもう若くないのだ、人生は我々の手からすり抜けつつあるのだ、そう思いあたったことを私は覚えている。
未来に希望を託して直進し続けるしかない。