そこに太陽があるだけで、暖かくなるように、楽しくなるように、優しくなるように。 毎日が日曜日、毎日が夏休み。そんな人に、私はなりたい。
彼の時間に私は入り込めない

彼の時間に私は入り込めない

吐き癖がついたのだろうか。吐いてばかりいる。
バスに乗ると吐きそうなので駅から歩く事にした。
歩道も街灯も整備されていない田舎道。
彼が車で通りかかったらいいのにな、と空想しながら歩いていて、
郵便局の信号待ちで、本当に彼の車が通った。
彼の他に何人か乗っていて、私のことなんて一かけらも気付かずに
一筋の光だけを残して去っていった。
彼は正常なのだ。
私はいつでも彼の事を思っている。彼はいつも私を通り過ぎていく。
彼の時間に私は入り込めない。
悔しいから、駅まで引き返してバスに乗る。