そこに太陽があるだけで、暖かくなるように、楽しくなるように、優しくなるように。 毎日が日曜日、毎日が夏休み。そんな人に、私はなりたい。
心臓を貫かれて

心臓を貫かれて

「心臓を貫かれて」
マイケル ギルモア 著 / 村上 春樹 訳

『ある種の精神の傷は、一定のポイントを越えてしまえば、人間にとって治癒不可能なものになる。それはもはや傷として完結するしかないのだ』ということを、僕は理解できたような気がする。頭によってではなく、皮膚によって。理論としてではなく、ひとつの深いリアルな実感として。(訳者あとがき)

自ら銃殺刑を求めた殺人犯ゲイリー・ギルモアの実の弟マイケルが、家族の絆を綴るノンフィクション。
おそらく魂の再生を求めるために、血塗られた家族の歴史を紐解いて行くギルモア。子供は天の恵みであり、邪魔者であり、家族の絆であり、呪いそのものでもある。“もう何も良くなんかならない。もう何も良くなんかならない”マイケル・ギルモアの最後に出たこの言葉が、私には辛かった。
1月の読書はちょっとハード。

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