そこに太陽があるだけで、暖かくなるように、楽しくなるように、優しくなるように。 毎日が日曜日、毎日が夏休み。そんな人に、私はなりたい。
『マンハッタン計画―プルトニウム人体実験』アルバカーキー トリビューン (編集), Albuquerque Tribune (原著), 広瀬 隆 (翻訳)

『マンハッタン計画―プルトニウム人体実験』アルバカーキー トリビューン (編集), Albuquerque Tribune (原著), 広瀬 隆 (翻訳)

『マンハッタン計画―プルトニウム人体実験』アルバカーキー トリビューン (編集), Albuquerque Tribune (原著), 広瀬 隆 (翻訳)
『マンハッタン計画―プルトニウム人体実験』アルバカーキー トリビューン (編集), Albuquerque Tribune (原著), 広瀬 隆 (翻訳)

原爆開発に奔走していた1940年代のアメリカ。その過程で18人の一般市民に対し、プルトニウムを注射するという人体実験が行われていた。「戦後最大のスキャンダル」として全米を揺さぶる「国家の犯罪」追跡の全記録。

1994年ピューリッツァー賞受賞。18人が人体実験されたのではなく、米国地方紙記者アイリーン・ウェルサムが7年かけて追跡調査した結果、18人のコードネームが分かり、17人の名前が明るみになりました。その数、800人とも数千人ともされています。モルモットは誰でもよく、病院に運ばれてきた患者の中から、余命幾ばくもないと踏んだ者を見繕い、本人はもちろん、家族の了承なしにプルトニウムを注射したのです。
プルトニウムの挙動を調べるために、尿・便の採取から始まり、死亡後は内臓・骨を、ある場合には墓を掘り起こし調査しました。その際、関係者間で「プルトニウム」という単語を出さないことを徹底していました。何故ならば、人体に有害な実験をしていることが既に分かっていたから。
例えば、1896年1月にレントゲン教授がX線の発見を発表、放射線科学の時代の幕が開かれました。しかし3月にはエジソンがX線には目をひりひり痛める刺激反応があることを報告、4月にはダニエルが脱毛現象を発見しました。同時期に、イライヒュー・トムソンがX線には人間の体を破壊する能力があり、またその能力は被ばくした直後には明確ではなく、ある潜伏期間を経て現れることを報告しました。放射性物質が有害であることは科学界にとっては100年前からの常識だったのです。
この本には、日本が真珠湾を攻撃してからほぼ一年半後にロバート・オッペンハイマーがエンリコ・フェルミあてに出した「放射能汚染食品による50万人殺戮計画」も掲載されています。オッペンハイマーといえばマンハッタン計画の中心人物、原爆の父として有名ですね。
科学が悪魔に変わる瞬間。
さて、8月21日に文部科学省が『文部科学省による、プルトニウム 238、239+240、241 の 核種分析の結果(第 2 次調査)について』を報告しましたね。原発から32kmの飯舘村などで発見された1F由来のプルトニウムを詳しく調べたけれども「濃度はいずれも低く、被ばく量は非常に小さい」という報告です。2011年9月にはプルトニウムは45km、ストロンチウムは80km先まで飛散していたけれども「ごく微量で、人体に影響を及ぼすような値ではない」という報告でした。そして2011年12月には世田谷区で1F由来のストロンチウムが検出されたけど「ごく微量なので人体への影響はない」という報告がありました。2012年12月に世田谷区で1F由来のプルトニウム検出報告が無ければいいなと思っています。キュリウム、アメリシウムとかね。

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