そこに太陽があるだけで、暖かくなるように、楽しくなるように、優しくなるように。 毎日が日曜日、毎日が夏休み。そんな人に、私はなりたい。
雷が鳴りはじめたので

雷が鳴りはじめたので

一人暮らしを始めた18歳の初夏。
突然雷が鳴り出す。雷ってこんなに大きい音だったっけ?
まだ家具も揃っていない状態で、周りに誰もいなくて。
耳に手をあて、布団にくるまる。
目をつぶると、いつか見た青白い稲妻と地響きで揺れる町が。
「恐い」と言える相手がいない。一人なんだと改めて思う。
心臓がドキドキして、汗が吹き出す。
相当叫んでいたらしい。コンコンコン、ノックの音に気付く。
隣の部屋の人が漫画を持ってきてくれた。岡崎京子を、5冊ほど。
毛布の中で読み続ける。愛とエロの漫画を。
いつの間にか、恐くなくなってきた。
そろそろ電源を落とします。おやすみなさい。

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