そこに太陽があるだけで、暖かくなるように、楽しくなるように、優しくなるように。 毎日が日曜日、毎日が夏休み。そんな人に、私はなりたい。
『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』村上 春樹 (著)

『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』村上 春樹 (著)

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カラフルだな、と思いました。それは登場人物の名前だけではありません。
プラットフォームを行き交う人々、それまでの村上春樹作品には珍しい”家族”の登場。
不条理な暴力に心や体を傷つけられることになっても、他人と心を通わせ、関係を築いていくこと。世界が歪みはじめても、可能な限り修復を試みること。「乱れなく調和する共同体」に疑問を持ち、解体する勇気を持つこと。記憶に蓋をすることはできても、歴史は変えられないのだから。
各々のそれぞれの闇について、全てをさらけ出す必要はない。『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』は時には存在を忘れそうになる、太陽、色に例えるとしたら黄色のイメージ。
心があたたかくなる読後でした。
『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』村上 春樹 (著)
『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』村上 春樹 (著)

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