そこに太陽があるだけで、暖かくなるように、楽しくなるように、優しくなるように。 毎日が日曜日、毎日が夏休み。そんな人に、私はなりたい。
どんどん忘れていく

どんどん忘れていく

背は、見下ろしていたかしら少し傾けていたかしら、
髪は、毛先が跳ねていたかしら茶色で柔らかかったかしら、
目は、睫で覆われていたかしら小さく開いていたかしら、
肩は、すっぽり包んでいたかしら少し離れていたかしら、
胸は、しっかり抱えてくれたかしらするりとなでられたかしら、
声は、いつも囁いていたかしら大きくはっきりしていたかしら、
手は、暖かくて大きかったかしらひやりと冷たかったかしら、
指は、関節が目立っていたかしら楽器で潰れていたかしら、
爪は、真っ直ぐだったかしら少し縦の線に割れていたかしら、
腰は、両手で掴めたかしらゴツリとして痛かったかしら、
脚は、腿は、膝は、指は、爪は、顔はどんな雰囲気だったかしら、
名前は何かしら、どう呼んでたかしら、そしてどう呼ばれていた?
はじめから何も知らなかったようにすっかり忘れていくのよ。

3件のコメント

  1. さすがみか!すばらしいタオっぷりだな!!
    俺もタオを志しているのだが、一歩先を越されてしまったようだ。
    老子曰「学は毎日増やすが、タオは毎日減らしていく、減らしていって究極の一になる」
    老荘学派としての実践哲学おそれいる。
    よし!俺も負けないぞ!!!

    Fritz
  2. >Fritz
    チガウチガウ。
    大きくなるにつれて小さくなるなあ、と。
    好きになるほど忘れていくなあ、と。
    ぼ〜っと考えてました。
    > Flash… さん
    こちらこそ、ありがとう。

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