そこに太陽があるだけで、暖かくなるように、楽しくなるように、優しくなるように。 毎日が日曜日、毎日が夏休み。そんな人に、私はなりたい。
空き地に雑草、ベランダに私

空き地に雑草、ベランダに私

ベランダから見下ろしていた一軒家が空き地になった。
訪問客が指差しながら「公園?」と尋ねた、あの家。
木々の中に埋もれるように建っていた、あの家。
大きな大きな木も、その隙間に見える家も、
パワーシャベルでガンガンガンガン!
3日後には綺麗な更地になっていた。
100坪ぐらいの、突然の茶色の空間。
「空き地」の誕生。
ベランダに出ては「空き地」を眺めるようになる。
俯きながら、溜息をつきながら、目線を下げながら。
空き地になった3日後ぐらいには雑草が生えていた。
茶色の中に、緑が、ポツ・ポツ。
目線が少し上がる。
1週間後ぐらいには1m位高さのある雑草が生えていた。
緑の中に、茶色が、ポツ・ポツ。
更に目線が上がる。
ふと、正面を見る。
青!
ベランダの端から端まで、見渡す限りの、青・青・青。
瞼の奥で赤が反射する。
鼻歌を歌いながら、部屋の中に戻る。

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