『よかたい先生 水俣から世界を見続けた医師 原田正純』

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昨年の今ごろの、水俣病被害者救済法駆け込み申請のニュースを覚えていますか?水俣病救済特別措置法は、水俣病問題の最終解決を目指して制定された法律で、国の基準では水俣病と認められない人を幅広く救うために一時金や被害者手帳が支給されるというもの。環境省が想定していた2万~3万人を大きく上回り、6万5千人の申請がありました。
水俣病関連本を読むと、国が問題にするよりもずっと前から苦しむ人がいて、申請締切後も苦しんでいる潜在的被害者が沢山いるということが分かり、苦しくなってきます。一部の利権のために、差別しやすい人たち(例えば有名な文化や産業がなく、税収の低い土地)を自分たちのシステムで囲い込み、その場所で公害などの問題が発生した時に『差別』という形で更に飼いならす。
この本では、目をそむけたくなるような写真や描写がありません。重い内容ですが、原田先生の愛情により落ち着いて受け止めることができます。公害が抱える諸問題に対する原田先生のメッセージ、大人にこそ読んで欲しいです。

『だから混浴はやめられない』山崎 まゆみ (著)

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『おひとり温泉の愉しみ』が面白かったので著作を溯って。ちゃらちゃらした気持ちで混浴に挑んではいかんな、と襟を正されました。行くなら一人か長年連れ添った夫とだな。

『桜守のはなし』

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これも大好きな児童書。分類は科学。去年の春、お庭を見せてもらった佐野藤右衛門さんの桜守のお仕事についての本。桜守とは、桜の木の声に耳を傾け、各地の名木を守り続ける「桜のお医者さん」のこと。佐野藤右衛門さんは植木職人として仁和寺御室御所に仕えてきた「佐野藤右衛門」を襲名して当代で16代目。祖父の14代目が創始した「桜守」を受けつぎ桜守として当代で3代目。パリのユネスコ日本庭園なども手掛けておられます。
譲り受けた桜の苗が何で運んでも乾燥してしまうからと、口にくわえたまま新幹線で移動したエピソードなど、粋なエピソードが満載。もう一度読んでみよう。

煽り気味なタイトルですがとても感動してはりました。

『わたしのすてきなたびする目』

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年に数回、衝撃を与える絵本に出会うことがある。児童担当で良かったと思える瞬間。
ジェニー・スーは、左目が斜視の女の子。ともだちから「イグアナみたい」とからかわれることもあるけれど、全く気にしません。「イグアナって、かっこいい。ってことは、わたしもかっこいい」。人と違う自分を楽しむこと、違う部分を愛すること。お母さんもかっこいいのです。

『珈琲店タレーランの事件簿 2 彼女はカフェオレの夢を見る』岡崎 琢磨 (著)

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GWお楽しみの第二弾は『珈琲店タレーランの事件簿』毎日仕事で本を読んでいるので時にはお楽しみ用の軽い読書も。とはいえそれらは絵本や児童書で、GWとはいえ実際の休日は5日のみで、とはいえ、そもそも日ごろからそんなに働いてもいないか。
『珈琲店タレーランの事件簿 2 彼女はカフェオレの夢を見る』岡崎 琢磨 (著)
『珈琲店タレーランの事件簿 2 彼女はカフェオレの夢を見る』岡崎 琢磨 (著)